量産工場
教育基本法改定案が衆議院を通過した。注目されている愛国心については「我が国と郷土を愛するとともに」という表現が入っている。これからどのように運用されていくのだろうか。
別に愛国心というものを否定する気はない。しかし、「国を愛しているならこの政策に賛成するはずだ」と言い出す人間は実際にいる。その政策に理があるならば論理で説くべきものを、意見の違いではなく「国を愛しているか愛していないか」という問題にすりかえてしまう。自分の側なら「愛している」側にしてしまうという独善的思考は人として問題があると思うが、論理ではなくこうした感情の押し付けしかできない思考力を育てることになるとしたら、はっきりいって学校はアホの量産工場と化すだけである。
まあ、学校教育の中で行われる「愛しているかどうか」の評価は時の政権の立場を反映した内容になって、ほぼこの路線になっていくと思う。教育を受ける側は基本的にそんなにアホではないのだが、国語の授業のように、何を言えば点が取れるか、という発想で対処することになるだろう。求められているものが何かを読み解いて、自分の考えとは違っていてもそれに応じることもできるという能力は社会人としては時に必要なのだが、それを人格、思想の問題にまで広げて、とにかく時の政権の政策に反対しない人間をつくっていく、という方向にしかいかないような気がする。


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Comments
こんばんは。みなさん。
日本では、小泉政権を無批判的に受け入れた阿部総理が誕生しましたね。だいぶ右傾化した日本は一体どうなってしまうのでしょうか?改憲は再軍備を促し、再び、日本に戦争への道を歩ませそうですね。今年の終戦記念日、靖国神社に、足を運びました。著名な学者や政治家が「日本の伝統を守る」という建前のもと、真顔で、参拝をしているのをみて、ものすごい危機意識を覚えました。一方的な言い分で相手に詰め寄り、言うことをきかせる。これは、アメリカ流の伝統的な交流方法だと思います。なんだか、日本もまねをするようになってきましたね。あと、気になったのは、大手マスコミの取材姿勢です。TBSの政治部記者だと思いますが、国会議員にインタビューしたあと、恭しく何回もお辞儀をしてぺこぺこしていました。政治部の記者って、これだから政治家の犬になりやすいんでしょうね。呆れました。権力の監視機関の自覚はどこにいったんでしょうね。仕事がやりやすいようにしたいのはわかりますが、ろくな記事は書けないと思いました。僕は、NHK記者よりも国会議員に近づいて、撮影してきました。だから良い記録がとれましたよ。ジャーナリストって「愛国心」って言葉にとても弱いです。これを感情で捉える危険性が大きい。それを理解していない記者が多いですね。だから、最近のマスコミって政治に組み込まれていすぎると思う。政治家に利用されてしまう新聞社が多くなった。どうして、政治手法による煽動を鵜呑みにして、独自の報道スタンスを捨てるのかがはなはだ疑問ですね。「国家の公共圏を守る」ことと、「時の権力者の言いなりになる」は全く違うことです。あと、特に産経、読売、文芸春情は右に行きすぎ。
Posted by: 粟野和彦 | Tuesday, November 21, 2006 at 06:47 PM
従順な国民を育てる。これって基本的人権に抵触してると思うなー。
ただでさえ道徳の授業はそらぞらしいのに。
生産過程で「太鼓もち」も量産されることでしょう。
Posted by: えらこきう | Tuesday, November 21, 2006 at 08:34 PM
みんなあなどられてるということですね。今までの教育基本法の理念もなかなか実現できなかったのだから、今度もうまくいかないでしょう。
Posted by: 速水 | Wednesday, November 22, 2006 at 12:04 AM
日本がなんでこんなにダメになったのかといえば、1960年代に日教組と文部省(当時)ががっちり組んで、市場原理に最も適した人間をつくる方針に大転換したからです。つまり5%のエリートとその他の95%の労働者というのが市場では一番生産性が高いのですけど、それを教育現場に持ち込んで、学校は金八先生の「腐ったミカンの方程式」状態に成り下がりました。そりゃそうですね、そんなちびっこのころに「お前はバカだ」なんて断定されたら、キレますよ。
まあ、ときが高度経済成長時代でしたからね。次は美しい国々に一直線かあ。
この45年あまりの教育の失敗で考えない人間をつくりあげることに成功した日本。さて、愛国心を鵜呑みにするのか。教育はボディブローのようにじわじわ、しかし確実にきいてきます。気がついたときは国力というか、国民の力がなくなっているという。。。
教育基本法改正案は個人的には憲法改正より腰が抜けた事態です。外国人の同僚に「なんで日本人はダメになったのか」と聞かれるたびに「教育」って答えてきたので。
今は景気がいいみたいで、いざなぎ景気を抜いたそうですね、期間としては。でも、暗澹たる気分です
Posted by: 沢宏子 | Thursday, November 23, 2006 at 11:24 PM
私は愛国心を大切に考えたいですね。
「国家百年の計」に立って物事を捉えたら、たかだか10年続けば良いほど政権などに左右されるようなものではないはずです。それを時の政権の方針に賛同するかしないかのことで「愛国心があるか」などの設問に陥る時流にはかなり疑問を感じるのです。
真の愛国者は、時の政権に対して叛逆を試みることがあっても少しもおかしくはありません。イデオロギーの押し付けを教育現場において行なう昨今の風潮には抵抗することこそ大切なのだと思います。
かつて私が中学生だった頃、担任がクラスの生徒たちにインターナショナルの唱歌をさせたことがありました。これに反抗する生徒がたった一人で日の丸鉢巻に特攻服を着て登校し厳重注意を受けたのです。ところが今は、まったく逆ですね。日の丸・君が代に抗議する教師が教育委から処分されるという異例の事態がまかり通っています。
私は思うのですが、どのような場合でさえイデオロギーを強要することに対して、たった一人でもいいから抵抗する心構えが常に必要なのだと。私は、そういう愛国者になりたいです。
Posted by: wattan. | Friday, November 24, 2006 at 12:49 AM
粟野さん
その記者がどうかは分かりませんが、取材相手に大しては誰であろうと何度も頭を下げる記者はいますよ。それで相手が気分よくなってこちらが聞きたいことを聞けるならば、それくらいはどうということもなくやるでしょう。勝負すべきなのは紙面においてなので。職業上必要な擬態だと思いますが、問題は紙面で勝負できているかどうかですね。
靖国がどの程度伝統的なものであるかとか、アメリカ流という話はまたの機会に。
えらこきうさん
まあ学校教育自体がそういうものでもありますからね。社会人として必要な部分もあるし、紙一重なだけに妙な方向にも行きやすいと思われます。
速水さん
いままでのは抽象的な理念でしたが、今後はもっと具体的になるでしょうから監督はしやすいんじゃないでしょうか。それも目的でしょうし。
沢さん
改定推進派の学者がテレビに出ていましたが、今回の改訂は基本的に教組つぶしが狙いと断言してました。歴代政権の努力によってすでにほとんど死に体なんですけどもね。教組がやっているという「イデオロギー教育」を自分らだけでやろうとしているだけ、とまでは言いませんでしたけども。
日本人がなぜだめになったか、という点は、今回の改訂では解決できないでしょう。論理ではなく愛を語ろうという教育ですし。
ワターンさん
愛国心はまったく否定しません。私も日本の文化なり自然なりはかなり愛しています。どれを「日本」とするのかなどいろいろ問題はありますが、それは置いておきます。
それぞれの教師がそれぞれの児童生徒の愛国心を尊重しながら教育を行える、などという環境になるかというと、まずそれはありえないですね。少なくとも公立の学校とはそういう場所ではありませんので。それをやろうという教師はたくさんいると思いますが、まあ生活をかけた戦いになるでしょう。
今回書いてますが、間違いなく「愛し方」が問題にされるようになります。その点を指摘すると、「愛国心があってはいけないのか」という話にすり替えてしまう人も実際にいまして、ここが問題ですね。そのあたりの論理性のない思考力が、「愛国心教育」によって培われかねないというところも私は懸念します。「愛国心があるならこれをやれ」と言われるとなんでもやってしまうような、イノシシみたいな突撃野郎を育成するだけになるんじゃないかと。あ、動物のイノシシはかなり賢いそうですけども。
Posted by: 安田 | Saturday, November 25, 2006 at 07:25 AM
理念を具体化する方策がなかったのがよくなかったのに、理念をよくなかったとしてしまうすり替えですね。フィンランドが日本の教育基本法をとりいれて成果をあげてるらしいです。グループ学習を実践してるのですが、単純な私はすぐにやって見ました。現代社会以外では初めてやってみたのですが、必ずしも普段成績のいいクラスが盛り上がるわけではなくおもしろいです。まだまだいろいろやれますよ。きっと!ただ状況が厳しいことも確か。とりあえず美味しいもの食べてエネルギーつけることが必要ですね。
Posted by: 速水 | Saturday, November 25, 2006 at 06:01 PM
美しい日本になるそうですから、給食もよいだしの利いたさぞうまい和食が出ることでしょう
Posted by: 安田 | Monday, November 27, 2006 at 06:02 AM
そうだね。給食は和食で制服ははかまで体育も剣道柔道古式泳法はどうですかね。
Posted by: 速水 | Monday, November 27, 2006 at 04:39 PM